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みんな、趣味探しているのね....。
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ワインエキスパートという資格の1次試験に合格しました。合格率は30~40%、1次試験とはいえ、知識ゼロ、独学、勉強期間2ヶ月ちょっとということを考えると、がんばりました。えっへんである。
えっへんではあるのですが...。なんか、虚無。いやもちろん嬉しいんだけど、"So what?"って感じ。何でこんな気持ちになったのかを考えてみたので書き連ねます。
「ワインが趣味です」って言うはずだった
週7日、起きてる時間8割仕事、みたいな生活をしていたわたし。
「いかん、このままでは人生が無味乾燥になる」と思い、そのとき一番興味のあったワインの勉強を始めることに。趣味っていう趣味もなかったわたしは「ワインが趣味!」みたいな人になるんだろーなーとボンヤリ思ってました。
勉強を始めます。受験とはいえ、知りたいことだし、好きなことだし、楽しく勉強できるだろと思っていました。しかし、やってみるとちょっと違った。
もちろん勉強を頑張って、試験に合格して、とっても嬉しかった。そして興味のあることに関する勉強なので、苦痛ではありません。
「苦痛ではない」...そう、めっちゃ楽しー!って感じではなかったのです。
むしろ「今日は5時間勉強した。5時間働いてたら、いくら稼げてたかな」とか考えちゃう。あと、「もしワインに関わる仕事してたら、資格給もらえたのかな」とかも思った。
ちーん。まぁワインなんて飲んで楽しむもので、机上で知識をゴリゴリ暗記して楽しさがわかるものではな、ってことは理解している。
けれど、
わたしがワクワクしなかった理由は「暗記作業がつまんなかった」「ワインについて思ったほど情熱を持てなかった」ってことだけじゃない気がするんです。
例えばこれが「ピアノを習って、発表会に出る」とか「二輪車免許取って、ツーリングする」とかでも同じ気持ちになることが予想できました。
上記のことをしていても、「この時間働いてたら...」「これ、やって何の意味があるんだろ」みたいなことを考えてた気がしてならないのです。
金にならない行動ができない
ここまで書いて気がついたのは「お金になるかどーか」で行動を決めちゃってる。
昔のことをちょっと思い出してみた。小学生の頃はジグソーパズルにハマって(陰キャ臭)1000ピースのとかを数ヶ月間、毎日やってた。中学校では手芸にハマり、自分が着るワンピース作ったりしていた。高校はピアノを頑張って、好きな曲を好きに弾いて気持ちよさを感じていた。
どれも、心から楽しく、好きでやっていて「これ、何の意味あるんだろ...」とか思わなかった。
働き始めてから、手芸を再開してみたことがある。フェリシモで売ってるようなやつ。しかし、どうもイライラムズムズしてしまうのです。
「はあ、楽しいけど、これ、やる意味ある?完成したやつ、売れるかな?」。お金に取り憑かれてしまったのでしょうか。
趣味の定義
「もしやこの先一生趣味なし人間?」
「...てか、趣味って何?」
ググりましょう。
- 専門としてでなく、楽しみとして愛好する事柄。
- 物事から感じ取られるおもむき。味わい。情趣。(Oxford Languages)
うおお、「ワインエキスパート(=ワイン専門家)」。これを「趣味」として取得を目指していたって、めっちゃ矛盾でウケる。わたしが勉強中に「ワクワクしなかった」のは、それが「専門家になるためのお勉強」だったから?
辞書的な意味を理解した上で、わたしのイメージしている趣味は以下。
- 心から楽しくて
- 楽しさに対してお金を投資できて
- 対価や見返りがなくても良いもの
上記に照らし合わせると「ワインが好きで、興味と知識も有ります」とは言えるけど「趣味です!」とは言えねー。該当する作業がない。
このままいくと、「趣味は耳かき」とかになっちゃいそうだ。それってどーなの。
理想の趣味のあり方はこれ
三谷幸喜がラジオで「休暇をもらってタイで1ヶ月過ごすことになったら、何する?」みたいなテーマの話をしていた。
彼の回答は「そんなの耐えられない。まずは現地の言葉を覚えて、劇団作る。もしくは、テレビ局に脚本持って売り込みに行く」って言ってました。これがわたしの理想。ってかみんなこれが理想じゃない?趣味=仕事=稼げるという図。
しかしこれを実現している人の大半はおそらく「稼げる仕事をして、仕事が大好きになる」のではなく「大好きなことをして、稼いでいる」と思います。そしてなんとなくだけど、こんな「趣味とは」「どうすりゃいいんだ〜」みたいなこと考えなさそう。
つまりわたしが今からこの生き方を目指すのは難しそう。
趣味って必要?
いらなくね?って思ってた。無理に見つけるもんでもないなーと。
しかし、ここまで考えてみると、ちょっとは努力して「時間を忘れる!」みたいな趣味を探しても良いかも、と思う。
なぜか?心がカラカラになりそうだから。「お金になりそうかどうか」のみを視点に考えると、人生で体験できること、感じられることの幅が狭まりそうだから。今はいいけれど、それじゃあ年取った時に、本当につまらなくなっちゃいそうだから。
と、同時にこれって難しいだろーなーとも思う。だってお金になるかどうかが、骨の髄まで染み込んでる。
まあ社会人になってから取り組んだ趣味的なことのサンプル数が少なすぎるので、のんびりいろんなことに手を出してみることにします。
connecting dotsがあるかもしれないし、ね。
というか、これってすっごく贅沢なトピックだよなあ。健康体で、趣味を楽しむという選択肢がある仕事をしていて、金銭的にも苦しくなくて。ありがたいことです。子供できたりしたら、こんなん考える隙もなくなりそうですね。
おまけ:ワインエキスパートって、何?
「酒類、飲料、食全般の専門的知識・テイスティング能力を有する者」の呼称。取得するとワインの認定講師になれます。が、その気はないので特になんのメリットもないと思います。
受験は1次試験と2次試験。1次はCBTで4択問題。センター世界史で85点を目指す感じの勉強量でした。2次はテイスティング。ワインを飲んで、どこのどーゆーものかを当てます。
ワインについて本格的に知りたい人は、この試験の勉強すると良いと思います。
ちなみに、27歳以下だとめっちゃ安く受けられます。今年27になったわたしは「今しかねえ!」と思い申し込んだ。ここにもお金の香りがするな。
ティスティングのお勉強したり、ワインの友達できたりしたら、また考えは変わるかもしれません。音楽だって、バンドやって周りに音楽好きな人がたくさんいた当時は今よりもっと楽しくて、趣味!って感じがしたもんね。
おーわり。本文と全く関係のない写真は、2019年のロンドン旅行時のものでした。