ユカログ

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25歳・Travel Writer

【女一人】イラン1ヶ月の旅・シーラーズ編④【旅行記】

こんにちは、ユカです。

 

 女一人でのイラン旅行記・シーラーズ編その4です。

 

その3はこちらから。

2016.2.21 シーラーズ

アリーエブネハムゼ聖廟 久しぶりの日本語

老爺の車はすっかり去って行った。幸いにも彼には自分が泊まっているホテルを教えてない。こちらから伺わなければ、もう2度と会うことはない。ホッとした。

 

まあ色々あるさ、とだけ思い、立ち上がる。 

 

敷地内に入るとすぐに、日本語の書かれた旗を持った青年を筆頭にした集団に遭遇する。ツアー客だ。

イランで日本人に会うのは初めてかもしれない。

地球の歩き方を片手に持った私に気づいたガイドさんが、話しかけてくれる。

日本人ですか、一人ですか、珍しいですねこんなところで。久しぶりに聞く日本語の音に感動する。

会話したのは数言だけ、1分に満たない時間だったけれど、息抜きができた気がする。

 

ガイドさんと言葉を交わしている最中、後ろにいたお客さんの中年女性集団に睨みつけられているような感じがした。

私のガイドを取らないでとでも言うような。気にしすぎかもしれないけれど、優しい目ではなかった。転校生を見るようなちょっと排他的な感じ。

 

日本人集団と離れると、次はイラン人の女子中学生の集団に遭遇する。

修学旅行か何かで来ているのか、みんなそれぞれ少し浮かれた様子で歩いたり、走り回ったりしている。

日本人ツアー客といい、彼女たちといい、なんだか廟内に人が多すぎる。

キャパオーバーとまでは言わないけれど、本来もっとゆったりしている場所な気がする。観光客がバッティングしたのか。

あまりゆっくりせずに廟を出た。

ピンクモスクの学生ガイド

朝起きれず、結局午後の訪問になってしまったピンクモスク。正式名称はマスジェデ・ナスィーロル・モスクというらしい。

光が差し込むのが綺麗であって、午後に行くとそれは見れないのかななんてあまり期待しないで行ったが、全くそんなことはない。

確かに陽の光がモスク内に差し込む訳ではないけれど、ステンドグラスそのものが美しかった。

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何時間でも見てられる

硬い絨毯に座りぼんやり眺めていると、ひとりの青年が近づいてくる。

座っている私の顔を覗き込み、こんにちは、ひとり?隣、座ってもいいかな、と優しい声をかけてくれる。ものすごく丁寧で、流暢な英語だ。

もちろん、と答えると彼は静かに私の隣に腰を下ろす。

 

「急にごめんね。英語できる?」

 

この質問には、できるよ、と答えるようにしている。決して流暢ではないし、自信もないけれど、sosoとかlittleとか答えて相手の話す気を削ぎたくない。それに、こちらが英語できる前提で話してもらった方が、自分の英語も上達するはずだ。

 

「できるよ。あなた英語上手だね」

 

イランでは全然英語が通じないからびっくりしたよ、と付け加えると、彼は照れたように笑った。

 

「僕、大学で英語専攻してるんだ。でもイランではあまり使う機会がないから、こういう観光地でバイトしてるの。君は?どこから来たの、なんで1人なの」

 

それから、お互いのことをつらつらと話した。会話のテンポが遅く、それが心地よい。

こちらに英文を考える時間を与えてくれている感じがする。

彼はこのモスクでガイドのバイトをしていると話した。

英語も好きだしモスクも好きだし人と話すことも好きだから、最高だと言った。

羨ましいなあと思った。そんな仕事に私も就きたい、と言うと、簡単だよとだけ彼は言った。

 

「あ、僕もう少しでバイト終わる。次どこ行くの?よかったら案内するよ」

 

「ハーフェズ廟に行きたいんだけど」

 

OK、少し待っててねと言い彼は去って行った。

 

数時間前に老人とはいえ男にホテルに連れ込まれた。

それを全く反省せず、また他人に付いて行こうとしている自分を認識した。

そんな自分を、いいなあと思った。

直感を信じて、ワクワクすることをする自分。

結局危ない目にはあっていないし、この人に付いて行ってみたい、付いて行って大丈夫という直感を無下にすることの方がよくない気がする。

 

詩人とアイス

お待たせ、と言いすぐに彼が戻ってきた。

 

「ハーフェズ廟だっけ?僕のチケット代も出してくれるなら、案内するよ」

 

そう言い彼はニヤっと笑った。

あ、この人、信頼できるな、と思った。嬉しくなる。

もちろん、と答えると、照れ臭そうにごめんね、学生でお金ないんだ、と小さな声で言った。

こういう人、日本にいたら、モテるだろうなあと思う。

 

ハーフェズ廟は穏やかだった。

ハーフェズがどこで何をした人かすら知らない私に少し戸惑いながらも、彼は丁寧に彼についてや彼の詩について話してくれた。

 

のんびりと何枚かの写真を撮ってお土産屋さんを見て、廟を後にする。

 

ホテルまで送るよという彼の申し出を素直に受ける。そんなに遠くないらしい。

見覚えのある通りまで来たところで、何かのお店に小さな人だかりができている。

 

「あ、ファルデ!食べた?」人だかりを見た彼が問う。

 

「え?」

 

「ファルデ」と彼は繰り返す。

 

なにそれ、という顔を見せると、食べなきゃ、と言い嬉しそうに足を早める。

 

お店は古いクレープ屋さんのような佇まいだった。

彼に言われるがまま少額のお金を店員に渡すと、小さなカップと引き換えてくれた。

とても美味しいアイスクリームだった。

トルコ風アイスというのが昔あったけれど(今もあるのかな)、それに近い。それにレモンをかけてもっと爽やかに美味しくした感じ。

 

「美味しい。イランで食べ物を食べて、初めて美味しいと思ったよ」

 

素直にそう言うと彼は声をあげて笑った。緊張が一気に解けたような感じがして、こちらも笑い出してしまった。友達になった感じ。

 

アイスを食べ終え、ホテルの場所を確認し、お礼を言う。

 

Facebookのアカウントを交換し、バイバイと言い別れる。

若者の、さっぱりとした挨拶だった。

この日の発見

信じてみることを信じてよかった

 

 読んでいただき、ありがとうございました。