ユカログ

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25歳・Travel Writer

【女一人】イラン1ヶ月の旅・シーラーズ編②【旅行記】

こんにちは、ユカです。

 

 女一人でのイラン旅行記・シーラーズ編その2です。

 

その1はこちらから。

www.syukalog.com

 

目次

2016.2.20 シーラーズ

誰もいないバキールモスク

早起きしてピンクモスクと呼ばれる、ステンドグラスで有名なモスクに行こうと計画していた。朝日がグラスを通して差し込むのが綺麗だそうだ。

起きたのは11:00。とっくに朝日の時間は終わっている。この日は断念。

寝坊したことに落ち込まずに、あっさりと、じゃあ明日にしよう、と思えるのは長期旅行の特権だなと思う。

もっとも、短期旅行なら寝坊で時間を無駄にすることなんてなくて寝坊などしないんだろうけれど。

 

ピンクモスクの代わりに、バキールモスクというところへ行く。

地球の歩き方に小さく載っていた。本では15000リアルと記載があったが、チケット売り場では50000リアルを要求された。

 

インフレでも起きたのかな、と思った。

 

詐欺だ、と思わなかったのはチケット売り場のお兄さんがニコニコと「こんにちは」「お元気で!」と日本語で話しかけてくれたから。ものすごく久しぶりに他人が発する日本語を聞いたのも嬉しかったし、ひと目で日本人だ、と判別されたのも嬉しかった。

チケット売り場の小さな小屋の中で彼は英単語の書き取りの練習をしているようだった。

勤勉で真面目そうな彼が、私からお金をぼったくっていると思いたくなかった。料金改定したのかもしれないし、本当のところはわからない。

 

キールモスクは、観光地ではないのか礼拝に来ただろう人々しか見当たらなかった。人がいなくだだっ広く見えるモスクは、厳かというよりは軽やかな空気が流れている。数少ない礼拝者も私のことを気に留める様子もなく、居心地がとてもいい。

 

雲ひとつない空に繊細な幾何学模様のモスクは、アッラーを信仰している訳でなくとも、その美しさに膝をついてお辞儀をしたくなるほどだった。

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キールモスク

 

ガイド付きのシャーチェラーグ廟

キールモスクを出る。

歩き方を読みながら、次の行き先をシャーチェラーグ廟に決める。

 

こちらはバキールモスクよりも有名らしく、入り口付近に礼拝者だけでなく、観光客のような人たちもチラホラと見える。 

 

入場するとすぐにボランティアだと主張する男が早足で近づいてくる。薄手のジャケットを着ていて、Guideと書かれた蛍光色のペラペラの腕章を腕に巻いている。

ものすごく怪しいけれど、「イラン人=常識外れに親切」という式が頭に染み付いていてしまっている。

人も多いし騙されたりお金を取られそうになったら逃げられる、と思い大人しく彼についていくことにする。

彼が悪い人であったとしても、周りのイラン人がきっと助けてくれる。そんな安心感を感じ始めている。

 

ニコニコと、どこから来たの?日本人?ひとり?と嬉しそうに質問を投げかけてくれる彼と話しながら歩く。

すぐにプレハブのような建物の前で立ち止まる彼。ここに入って、と言われ中に進むと、中年くらいの女性がにっこり笑って手招きをしている。

近づくと黒い大きな布を渡してくれた。廟内ではチャドルを着用しなければならないらしく、それを貸付してくれる所らしい。

 

重いチャドルを被って出ると、自称ガイドの彼がこっちこっち、と少し離れた場所で手招きをする。

噴水の近くに外国人が数人集まっている。どうやらまとめて英語で案内してしまおう、ということらしい。

ちょっと待っててね、と言い残しガイドがどこかに行ってしまう。

顔を見合わせた私たち外国人は簡単に自己紹介をする。

 

エストニアから来たという旅行好きの老夫婦、フランス人の同じく老夫婦、ベルギー人のバッグパッカーの男。彼の年は私と同じくらいか。5人とも、ここで待ってて、と言われているらしい。

フランス人の夫婦は、既に廟内を一通り見終わってしまったところで彼に声をかけられた、と言う。彼がいないこの隙に、と言い、いたずらっぽく、でもどこか申し訳なさそうに笑いじゃあねと言い去っていってしまった。

 

数分後、お待たせ、と言いガイドの彼が戻ってくる。

2人のフランス人がいなくなったことに気付いたのか、そうでないのかわからない。全く気にも留めない様子で彼はLet's go!と軽やかに言い、モスクの方へ進んでゆく。

エストニア人の夫婦はボランティアだと主張する彼をまったく疑う様子がなく彼の後ろをぴったりと付いてゆく。ベルギー人の彼と顔を見合わせる。

 

「本当に無料かな、怪しくない?」小さな声で聞く彼。

 

「同じこと思ってた、どうする?」立ち止まる私たちに気付かず進むガイドと老夫婦を見ながら聞き返す。

 

訝しげな表情のまま、彼は首を小さく傾げ、go.と呟いた。

私も頷きガイドとともに進む。

 

疑うこと

彼は本当に無料のガイドだった。

シャーチェラーグ廟には英語ガイドが用意されているらしい。

 

一通り廟内を見終わると、案内所のようなところに通され、チャイとクッキーを出してくれた。そしてスーベニアだ、と言い礼拝で使うと思われる数珠のようなものをプレゼントされる。

 

お金を要求されるならここだな、と思った。同時に、彼にだったら払ってもいいなとも思う。

彼のガイドは絶品だった。こちらの質問には1を聞くと10を返すように丁寧に答え、こちらに対しても興味を持って簡単な質問を投げかける。イラン人と話しているとたまに感じる、外国に対する憧れや嫉妬を全く感じない。誇りを持ったイラン人。淡々としながら明るくテンポの良い説明を続ける彼の印象はそのようなものだった。

 

「ねえ本当に全部無料なの?私たち、ちょっと疑っていたんだけど」

 

チャイを飲みながらベルギー人の男と一緒になって冗談交じりにそんなことを聞けてしまうくらい、彼は優しかった。

 

「うん。無料だよ、見てごらん」

 

この質問もされ慣れているのか、彼は嫌な顔ひとつせずにパンフレットを差し出した。FreeEnglishGuideについての説明がある。

 

「疑ってごめん、あまりにいいガイドだったから、無料なのかなって」

「おれ、イランに来る前はインドで旅をしていて、ガイドにぼったくられることがあって」

 

2人の外国人の謝ったり言い訳したりする言葉を遮るように首を振る。

いいのいいの、声のかけ方も怪しかったかな。のんびりとそう話す彼。

 

チャイを飲み終わり、簡単に外を歩き門まで案内してもらう。

ここで終わりね、気をつけてね。数珠似合ってるよ。そんなことを言って手を振ってくれるガイドはやっぱり心地がいい。

 

人を疑ったことに、また微かな罪悪感を覚える。

バックパッカーとしては必ずしなければいけないことのはずなのに、イランにいると人を疑うことが面倒になってきてしまう。

ベルギー人も同じ気持ちなようで、イランには悪い人いないのかな、とポツリと言っていた。

 

日が暮れかかっている。

ホテルへは歩いて帰れそうな距離だった。

 

シャーチェラーグ廟、来てよかったな。そう思った。

ガイドもそうだが、廟それ自体も飽きることなく楽しめた。

 

内装が全て鏡張りの、万華鏡のような廟は印象に残った。

ムスリムで知識も何もない私は、モスクを2,3つ見た後はその違いを見つけるのが難しく、簡単に言えば飽きが来てしまいそうだった。

歴史も何もわからないけれど、知識がなくても見ていて心が楽しくなるものは好きだな、と思った。学がない発言だけれど。

これくらいどのモスクも個性的だったら楽しいかもな、と思った。赤いモスクとか、透明なモスクとか、レンガ作りとか。それはもうモスクとは呼べないのかもしれないけれど、私のような無知な観光客を楽しませるにはいいかもしれない。

 

アイスランドで買ったばかりのデジカメを壊してしまったことを久しぶりに後悔した。*1

 

帰って就寝。

身体を動かしたからか心地の良い疲労感に安心して眠りに落ちる。

この日の発見

イランに限っては怪しくてもいい人の確率が高い。怪しいと思っても優しく応対するようにしよう

 

 読んでいただき、ありがとうございました。

  

*1:イランの前にいたアイスランドで波に飲まれてデジカメを壊した。仕方がないのでそのあとはiPhoneで写真をたくさん撮ったが、それも帰国時に機種変更した際にデータを丸ごと消されてしまった。残っているのはFacebookにUPしていたもののみ...