ユカログ

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25歳・Travel Writer

【女一人】イラン1ヶ月の旅・テヘラン編⑥【旅行記】

こんにちは、ユカです。

 

 女一人でのイラン旅行記テヘラン編その6です。

 

その5はこちらから。 

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目次

2016.2.17 テヘラン

値切る女

iPhoneが壊れてしまったため、アラームをかけられない。それを言い訳に好きなだけ寝ることに決める。

結果、起きると13時だった。

 

iPhoneを直しに電気屋さんのようなところに行く。ホテルを出て適当に歩き、Appleのリンゴマークを掲げている、そこそこ綺麗そうな店に入る。

もちろんAppleの正規店ではない。カウンターのディスプレイには様々な機種が並べてあるが、値札はない。 

カウンターの前に並べられたパイプ椅子には客が4,5人座っていた。

 

レジには若い色黒の男が立っている。金色の重たそうなネックレスをつけ、Tシャツ姿にサンダルだ。カウンターに近づくと、どうかしたの?と言うようにこちらを向いて首を傾げる。日本もこれくらいラフな格好で働けたらみんなのストレスちょっとはなくなるだろうなあと思う。

 

これ壊れたから修理してほしいんだ、と言いiPhoneを差し出す。ちょっと貸りるよ、と言い彼はその場であっという間に分解してしまう。うーん、と唸り電卓を取り出す。3秒だけ迷った様子を見せた後、「82」と打ち、「ユーエスダラー」と続ける彼。

 

あ、直るんだよかった、と思った。全く電源が入らなくなっていて、買い替えも覚悟していた。

 

すぐにOKお願いと言い、案内されるままにパイプ椅子に座る。

するとすぐに隣に座っていた女性が私に向かって驚いたように言う。

 

「あなた、なんでOKって言ったの?本当にいいの?」

 

「え?だって壊れてしまっていたんです。ここ、ダメな店なんですか?」

あなたも客なはずのに、なんでそんなこと言うんだ、と思いながら言う。

 

そうじゃなくて、と言ったように彼女は手を横にひらひらさせる。

「82ドルは、高いわよ。値切らなきゃ」

 

あ、忘れてた。言い値は値切る、観光客として買い物をする際の鉄則だ。

露天じゃないからかなんとなく気が抜けていた。

 

うなだれる私を見て、まあそんなに落ち込むことはないわよ、値切れても5-10ドルだと思うわ、とのんびりした口調でフォローする彼女。はあ、そうですか、でもなあ...。

 

「それよりあなた、日本人よね?中国人じゃないと思うの」

 

私が頷くと彼女は嬉しそうにイランへようこそ、と言った。

まだイランに来てたったの4日だけど、もう何度この質問をされただろう。ホテルでメトロでレストランで、あらゆるイラン人が私を日本人か中国人か区別したがり、日本人だと言うと好意的な反応を示す。中国人って言ったらどうなるんだろうと想像すると、寂しくなる。

 

そんなことを考える私をよそに、彼女は自分のことについて話し始めた。中年女性がお喋り好きなのはどこの国でも共通なのかな、と思う。

「日本はいいところらしいわね、でもね、私はオーストラリアが大好きなの...」

そう言い、彼女は自分はイラン人で夫はオーストラリア人だということと、もうすぐオーストラリアに移住する予定だということ、夫はイランが嫌いで自分もイランを去ることは寂しくない、ということを早口で嬉しそうに語った。

 

女性であるというだけで制限がこれだけある国、イラン。

オーストラリアは自由で憧れの国に見えるんだろうなと思う。

これからオーストラリアに住むと語る彼女はどこか、私は勝ち組なの、解放されるの、とでも言いそうな雰囲気があった。

 

ひとしきり彼女の身の上話が終わったところで、丁度彼女の商品が手渡された。

 

「でも、まあイランもいいところよ。これからは色々値切るのよ」

そう言い残し彼女はクールに去って行った。

 

露天じゃなくても、値札のないものは値切る。ルールをもう一度自分に言い聞かせる。

82ドルで直してもらったiPhoneを持って、ホテルに戻る。

テヘラン最後の夜。

 

2016.2.18 テヘラン→シーラーズ

「外国人」の特権乱用

朝起きて、インドビザの申請を行うためネットカフェへ向かう。

 

結局、イランを抜けた後の行き先を、世界地図を見て「現在最もワクワクする」と感じるインドにした。

世界地図を見ながら、翌月を過ごす国を決められることに自由と幸福を感じる。限られてはいるが、時間とお金が今の私にはある。

 

ホテルのフロントでネットカフェの場所を聞く。荒い地図に印をつけて渡してくれるが、おおよその場所しかわからない。

これじゃわからないよ、と言うとペルシャ語で住所を書いてくれ、誰かにこれ見せれば連れて行ってくれるよ、と言う。雑だなあ、と思いつつ、イラン人なら多分連れて行ってくれるんだろうな、とも思う。騙されやすい危険な思考かもしれないけれど、今まで施された親切が積み重なって、イラン人なら信頼して大丈夫、と思ってしまう。ありがとうと言いホテルを出る。

 

地図を見ながらだいたいこの辺、という場所まで来たけれど、ネットカフェらしきものは見当たらない。身なりの綺麗な男性2人組に声をかける。フロントでもらった紙を見せて、これどこかわかりますか、と聞く。

 

彼らは英語がわからないようだった。ペルシャ語で何やら説明をしてくれるけれど、わからないという顔をすると、ふたりは顔を見合わせてしまった。ふたりは一瞬相談して、少し困った顔で付いておいで、というジェスチャーをする。

 

案内してくれるんだ。ありがたい。

メルシー、と言い彼らの後ろをついて歩く。

 

横断歩道をいくつかと、歩道橋をふたつ渡り、やっと立ち止まった彼らは、ここだよ、とビルを指差してくれた。

彼らに道を聞いた時、私は全然違うところに立っていたらしく、結局10分以上も歩き、目的のネットカフェに着いた。

 

こんなに遠いと思わなかった、ありがとう、と言う。

 

英語を理解しない彼らにどれだけ伝わったのかはわからないけれど、お辞儀をして手を合わせてメルシー、サンキューと何度も伝える。

彼らは照れたように笑い、なぜかわからないけれど握手を求められ、今歩いてきた方向に去って行った。

 

あれ、そういえば彼らに道を聞いた時、ネットカフェとは逆方向に向けて歩いていたな、と思う。ふたりが向かっていた本来の目的地と逆方向にネットカフェはあって、そこまで私を案内してくれた。往復20分かけての道案内。

 

またも期待以上の親切をもらった。

 

なんだか「外国人女」であることを利用して人々の親切を受け取っている気がしてくる。

「外国人女だから親切にされて当たり前」

「日本人だから優しくしてもらえて当然」

そんなことを、思っているんじゃないか。それに対する罪悪感が特にない。

いいことか、悪いことか。それを私には判断できない。

おしっこさせたがり女

ホテルに戻り荷物を取り、タクシーでバスターミナルへ向かう。

次の街はシーラーズ。テヘランから南に13時間。イランではじめての長距離バス。

 

バスターミナルはものすごく騒がしかった。例えるなら、築地のマグロの競りの現場のうるささだ。

 

ターミナルには行き先の違う大型バスが何台も停められている。

それぞれの運転手がバスの前で行き先を絶叫している。運転手のところへ行き切符を買えば乗れるようだ。外国人の私にとってはこれ以上ないくらいわかりやすいシステムで、ありがたい。

 

「シーラーズ!VIP!シーラーズ!VIP!」と喉が千切れるんじゃないかと言うくらい大きな声で叫ぶおじさんの元へゆく。これだけ外で公衆の面前で叫ぶの、結構気持ちいだろうな。でも仕事で義務で毎日叫ばなきゃいけないとなると大変だなあ。

 

シーラーズに行きたいんだけど、と彼に言う。

乗りなよ、VIPだよ、と言う彼。VIPって普通のと何が違うの、と尋ねると、3列シートでリクライニングということらしい。

テヘランからシーラーズまで900km、14ユーロだという。安いと感じた。相場はわからないが、荷物も重いし比較するのも面倒だ。お願いします、と告げ荷物を積みバスに乗り込む。

驚いた。ものすごく綺麗で、広い。日本で乗ったどの長距離バスよりも快適だった。出発する前にはペットボトルの水と紙パックのジュース、お菓子が詰められた箱が配られる。14ユーロでこれは安い。

快適なシートに横たわり、バスが発進するとすぐに寝てしまった。

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おやつ。...ちょっと怖い

 

2,3時間経ったところで見知らぬ女性に起こされた。バスはSAのようなところに停車している。トイレ休憩だいうことを隣に座っていた乗客の彼女が教えてくれるらしかった。美人な中年女性だ。

 

「ありがとう、でもトイレは大丈夫。寝てるよ」

 

そう伝えるが、彼女は私がトイレ休憩を理解していないと思ったらしく、トイレット!バスルーム!と言い、腕を引っ張る。

 

ありがたいけれど強引だなあ。そう思いつつ、説明するのも面倒で彼女について外に出ることにした。目も覚めてしまった。

 

トイレに向かい洗面台で顔と手を洗う。タオルで顔を拭き外に出ようとすると、後ろから彼女の声がする。あなた、トイレしなさいよ、というようなことをしきりに言っているようだ。大丈夫、と答えるが伝わらないらしく、ため息をつき奥のトイレへ連れていかれる。

 

個室のドアを開けて、私の手を引き押し込むように背中を軽く押す。イランでは珍しい、洋式トイレだった。

どうやら彼女は私が洋式じゃないと用を足せないのだと思ったらしい。

 

そうじゃないんだけどなあ、と思いつつ面倒になってメルシーと言い、鍵を閉め60秒を数えて外へ出る。

待っていてくれていた彼女は満足気にOK?と聞く。うん、OK、本当にありがとう、と応える。 

 

バスに戻り、就寝。 

シーラーズに着くのは明日の朝。

この日の発見

イラン人、親切すぎる(3回目)

イランの長距離バスは超快適

 

 

 読んでいただき、ありがとうございました。